新渡戸の植物標本発見 同窓生・宮部との絆示す

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本学総合博物館の植物標本庫から、新渡戸稲造が同窓生の宮部金吾に送ったとされる植物標3点が発見された。本学にゆかりの深い2人の友情を示す貴重な資料として、4月末から約1か月間、博物館で公開された。

今回展示された標本3点はいずれもカリブ海域の西インド諸島で採集されたもの。1912年12月に新渡戸が西インド諸島に渡航した記録と標本に付されたメモから、採集年月は1912年12月、採集者は新渡戸と推定された。

新渡戸と宮部は、いずれも本学の前身である札幌農学校の2期生。新渡戸は後年国際連盟の事務次官を務めるなど国際的に活躍した。一方、宮部は植物学者として功績を残したほか、札幌市の発展に尽力。今回の発見からは、農学校で出会い卒業後もやり取りを続ける二人の友情の深さがうかがえる。博物館研究員の佐藤広行氏は「新学期にあたり、学生に友情の大切さが伝わるような企画をしたいと考えた」と振り返る。

博物館標本庫内に未整理状態のまま残されている標本は、約30万点。今後の新たな発見を期待したい。

新渡戸採集のシダ植物 Campyloneurum属(ウラボシ科)の標本【北海道大学総合博物館】

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