北海道応援団フォーラム開催 各界の有識者らが北海道の今後を展望

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(6日に発生した地震の影響により、掲載が当初の予定より大幅に遅れました。お詫びいたします。)

本学工学研究院・フロンティア応用化学研究棟にて8月18・19の両日、「北海道応援団フォーラム」が開催された(実行委員会主催)。このイベントは北海道命名150年にちなんだもの。「北海道の150年を振り返り次の50年をどう切り拓くか」とのテーマのもと、産学官から幅広く有識者が参加し、講演やパネルディスカッションなどを通じて活発な意見交換が行われた。

18日には小説家・河治和香(かわじ・わか)氏による「松浦武四郎と《北海道》」の講演に続き、「北海道150年への戦略的視座」と題して日本総合研究所会長の寺島実郎氏が講演した。寺島氏は「ローカリティを深めることで世界史につながる」と指摘した上で、安全保障・エネルギー・技術革新など広範囲な分析を踏まえて北海道や日本の将来展望を論じた。米中貿易の大半が沖合を通っており、北海道は極めて有利な場所であると指摘し「戦略次第で北海道はガラリと変わる」と強調。観光については「(外国人観光客からの)爆買いに期待するのでは駄目」だとし、付加価値を高めていくことが重要だと論じた。このほか、「食の不安定が最大の問題」と述べ、一次産業の比率が高い北海道は格好のプラットフォームにして実験場になると語った。

19日には本学名誉教授で第15代総長・丹保憲仁氏の講演「近代の終わるとき」に引き続き、「北海道の食と観光」などのテーマで各界の有識者による複数のパネルディスカッションが行われた。このうち、「北海道の地方創生・まちづくり」では、先進的な取り組みを行っている道内自治体の首長らが講演。宮司正毅当別町長は「できない理由ではなく、どうしたらできるようになるのか」と職員の意識を変えることから始めたという町政改革を振り返った上で、国際的・全日本的な視点を持ちつつ失敗を恐れずに、交流人口を増やすなどして付加価値の高い「儲かる町」を作っていくことが重要と指摘した。松岡市郎東川町長も「(東京など)都市にないものから価値を上げることが重要」と述べた。また、両町長らは人手不足を補うための外国人人材の活用などについても活発に意見を交換した。

最後のパネルディスカッション「北海道150年を振り返り次の50年をどう切り拓くか」では、本学の名和豊春総長や株式会社カネカの菅原公一代表取締役会長らが登壇。菅原会長は「世界にとっての非常識が日本ではまかり通っており、まだ鎖国は続いている」と指摘した上で、グローバルで戦える人材・自分の頭で考えられる人材の育成が重要と述べた。名和総長も「警告を発する未来予想ではなく、前向きな構想」の重要性に触れつつ、新渡戸カレッジなど本学での取り組みの紹介を交えながら人材育成の持つ可能性に期待を寄せた。

実行委員会の越智文雄事務局長は、「今回のイベントを北海道応援団の創設とし、単なる懇親会ではなく実のある応援がしたい。来年以降も続けたい」と今後に向けての意気込みを語った。

パネルディスカッションで講演するカネカの菅原公一会長(写真は実行委員会提供、一部をトリミング)