海外オフィス、相次いで開設 米ポートランド・ロシアモスクワ 海外拠点6カ所に

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本学は5月から6月にかけて、海外オフィスを米国とロシアにそれぞれ開設した。両国ともに本学のオフィスが設置されるのは初めてで、本学の海外拠点は既存のヘルシンキや北京などと合わせ6カ所に増えた。留学や研究交流、学生交流を促進する取り組みを拡大していく。

米ポートランド 交流の活性化へ

米国に開設されたのは「北米ポートランドオフィス」。米北西部オレゴン州のポートランド州立大学内に今月1日、開設された。オフィスには同大学の日本人スタッフが常駐し、本学から派遣された日本人留学生のサポートや、現地情報の収集などに取り組む。

同大学は1972年に米国の大学で初めて本学との大学間交流協定を締結。両大学間ではこれまで、シンポジウムでの本学への教員派遣や、本学からの留学生派遣といった交流がある。45年を超える長いつながりから同大学内への開設が決まった。

オフィス所長に就任した本学国際連携機構副機構長の川野辺創教授は「留学生派遣や交流活動を活性化させるために力を尽くしたい」と意気込む。同オフィスでは同大学のみならず、サンディエゴ州立大学やシアトルのワシントン大学など米西海岸の他協定校との交流促進もしていきたい考えだ。

ポートランド州立大には横浜国立大学も2017年に事務所を構えており、「日本側の複数校での連携も視野に入れていく」(川野辺教授)という。

7日には開所式が行われ本学の長谷川晃理事・副学長(前列左)や秋元克広札幌市長(同右)が出席した(本学国際部提供)

ロシアモスクワ 日本留学促進を担う

ロシアの首都モスクワのモスクワ国立大学内には5月31日、「ロシアモスクワオフィス」を同大学と共同で開設。留学の促進に主眼を置き、本学のみならず日本中の大学へ同国からの留学生を増やす活動を行うのが大きな狙いだ。オフィスには本学特任教員として新たに採用した留学コーディネーター2人などのスタッフが常駐。オフィス所長には本学アイヌ・先住民研究センターの加藤博文教授が就任した。

日本留学を促進するのは、文部科学省に本学が採択された同国などで留学生拡大を目指す事業の一環。留学コーディネーターが同国の学生一人一人のニーズを聞き、それに合う形の留学を支援する。この際、東京や大阪などの大学も紹介する。同国の複数都市で留学フェアも開催し、日本留学をPRする。

また大学生のみならず高校生にも日本留学を提案。同国の高校を卒業して直接日本の大学へ留学するという形を示す。加藤教授らが実施している現地の高校での意識調査では、意外にも高校卒業後に海外を考えている生徒は多く、日本留学に関心を示すという。

同国から大学など日本の高等教育機関へ留学した学生は18年で、約550人だ。事業ではこれを20年までに1000人、23年までに1500人に引き上げるとの目標を掲げている。

本学が日本全体の取り組みとして留学を促進するのはサブサハラ(サハラ以南のアフリカ)に続きロシアが2カ所目。これら地域は日本政府から留学促進における重点地域に指定されている。重点地域にある6つの拠点のうち本学が2拠点を担うことになり、役割は大きい。加藤教授は「何よりも優秀な留学生をリクルートすることに力を注ぎたい」と話している。

オフィス開設に係る合意覚書に署名した本学の笠原正典総長職務代理とモスクワ国立大のサドーヴニチィ学長(本学国際部提供)

本学はスタッフが常駐する海外オフィスを東南アジアに開設することも検討している。東南アジアには現在、タイ、インドネシア、フィリピンの3カ所に本学農学研究院、理学研究院が運営するオフィスがあり、それらを統括する役割を担うものとして構想しているという。

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