総長選考会議、名和総長のパワハラ認定 総長は否定

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本学の名和豊春総長(昨年11月17日)

本学の名和豊春総長が職員に対しパワーハラスメント(パワハラ)を行った疑いがあり調査していた問題で、本学の「総長選考会議」はパワハラを認定した。名和総長の解任を同会議が文部科学省に申し出た場合、文部科学相が内容を精査し解任の是非を判断することになるが、名和総長側は調査に異議を唱えており、事態の収拾までには相当な時間を要しそうだ。

パワハラの疑惑について、総長選考会議のもとに弁護士らで構成される調査委員会を設け調査を行い、同会議はパワハラを認定した。

一方で名和総長は同会議のパワハラ認定や手続きに対し異議があるとして8日、代理人弁護士を通しコメントを発表。名和総長は職員に負担をかけたことや、意思疎通が不十分だったことを認め、「今日の事態を招いたことは、私の不徳の致すところで深く反省している」とした。その上で、「業務上必要な注意や叱責をしたことはあるが、それを越えて相手の人格を否定するようなパワハラと評価される行為に及んだ事実はない」と反論。調査委が認定したとされる大声での叱責(しっせき)や机を何度も叩くなどの行為も否定した。また、手続きについて、調査委が弁解の聴取を一切行わなかったほか、同会議が証拠の閲覧を代理人弁護士に対しても大幅に制限したなどと主張している。

国立大学の学長(総長)の解任は国立大学法人法に基づき、学長選考会議の申し出を受けた文科相が行う。文科省によると、2004年に国立大学が法人化されて以降、学長の解任を行ったことはなく、名和総長が解任されれば初となるという。同省の担当者は「(判断にかかる時間について)前例がないので答えられないが、慎重に検討する必要がある」としている。

名和総長は体調不良による入院で、昨年12月10日より休職中。名和総長のコメントによると、2月5日に退院し、復職を申し出たが役員会に認められなかったという。3月の卒業式や4月の入学式などの行事は欠席し、笠原正典理事・副学長が総長職務代理としてあいさつを代読するなどしていた。

名和総長は本学の第19代総長。民間企業勤務や本学工学研究院長・工学院長・工学部長など経て17年4月に総長に就任した。任期は6年で23年3月までの予定。

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