北大祭前日準備~もう1つの北大祭~
6月5日18時。5限目が終わり、講義棟から次々と出てくる学生たち。夕暮れの彩雲の下、彼らの足は各々の帰路ではなく、それぞれのクラスやサークルの持ち場へと向かって行く。トラックで次々搬入されてくる大型機材に、交通整理をする北大祭事務局員たち。
北大祭前日、学生らはいよいよ到来する明日への準備に燃えている。

1年生は全員、クラス企画の模擬店に参加する。高等教育推進機構(教養棟)を出たあたりで周囲を見回すと、仲間たちと協力し合う1年生たちが目に飛び込んできた。機材の搬入を待ちながら、機材が来た後のことについて話し合っている。
では具体的に、どのような準備を行うのだろうか。少し歩いて文学部棟の近くで、クロッフル(クロワッサンの生地をワッフルメーカーで焼いたもの)を販売する49・50組の副代表大島康平さんと防災衛生係の山崎海輝(かいき)さんにお話を聞いた。
「テントがやって来たらブルーシートを引いて、その上にテントを立てて看板を立てかけますね」「装飾品も付けるのですが、もう装飾品は作っておいてあるので深夜番の人に任せるだけです」。どうやら準備に抜かりはないようだ。
次に意気込みを聞いたところ、「絶対たくさん売ります!」と力強い声で話す山崎さん。
続けて大島さんも山崎さんも「美味しいよ!」、「いっぱい買ってね!」とお客さんに向けた言葉を話した。模擬店に掛けた時間と努力の故か、クロッフルに並々ならぬ自信を持っているようだった。
さて、この祭りに精魂を注いでいるのは当然1年生だけではない。到る所でサークル・部活動の準備が散見され、体育館前では白い天井に黒背景の立派なステージが設営されている。
初夏を迎え長くなってきた日も水平線の下に落ちたが、暗くなる空とは裏腹に活気は増すばかり。
学生たちが共に笑い共に楽しみながら準備をする姿は、それだけで1つの祭りの本番の様相を呈していた。


昨年の第66回北大祭では約11万8000人が来場した。今年は大型ゲストが来ることもあり、事務局関係者の話によるとさらなる大人数の参加が見込まれる。
第67回北大祭は明日6日(金)から8日(日)にわたって開催される。
学内の方も学外の方も、是非、この最高の祭りに参加してみてはいかがだろうか。
※山崎さんの「崎」は正しくは「たつさき」
(取材・撮影:大野・古谷 執筆:大野)