足元から音楽を 北大タップダンスサークルColorful 2度目の北大祭

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映画『浅草キッド』劇中にも登場する『King&Queen』は上下黒の衣装で披露した

「ただいまお届けいたしましたのは、『Bigman』、続けて『King & Queen』でした!」

木と金属が触れる軽やかなタップ音が終わり、MCが入った。

北大祭2日目となる6月7日、北海道大学高等教育推進機構前のステージで、北海道大学タップダンスサークルColorful(以下Colorful)のパフォーマンスが行われた。天気予報とは裏腹に、初夏の晴空の下で約50名がステージを楽しんだ。

Colorfulは創設3年目となる道内初のタップダンスサークルで、北大生を中心に8名が現役で活動している。元々タップダンスを習っていた神谷啓吾さん(総合科学院修士2年)が、大学内でタップダンスをする仲間を求めて設立した。普段は大学内外で場所を借りて練習し、月に1度プロのレッスンを受けることで技術を磨いてきた。

「お客さん、そして日頃練習を共にする仲間のおかげで、当サークル2度目の北大祭出演が実現しました」と神谷さん。

今回の北大祭では新曲「悲しみなんて笑い飛ばせ」を含め7曲を披露。全体構成を考えた演出の江藤世夏(せな)さん(農学部2年)は「タップの音が際立つ迫力の幕開けにするため、最初にアカペラナンバーの『Bigman』を据え、その後ジャズやJ-popを入れてタップの表現の幅をお見せすることにしていた」と話す。そして「悲しみなんて笑い飛ばせ」は屋外ステージである北大祭を見据え、タオルを回す振付を入れた。メンバーは「お客さんにもタオルを回すよう呼びかけた。ステージと客席が一体になる感じを狙いは成功したかな」「困難に対しても笑って乗り越えようという思いをお客さんとColorfulメンバー両方に感じてほしかった」と語った。

ステージに上がらないメンバーも、後ろから色とりどりのタオルを振った

また札幌を中心に活動するプロタップダンサーのRyugaさんが特別に参戦。神谷さんと2人でステージに上がり、メロディにはまった細やかな音を響かせた。特に、曲の中盤に設けられた即興のソロパートでは、技術の詰まった足元に大きな拍手が湧いた。神谷さんは全体を振り返り「今後もタップの魅力を広められるように、活動に励みたい」と笑顔を見せた。

Ryugaさん(左)と神谷さん(右)
タップスキルを詰め込んだワンステージとなった

代表の中島結衣花さん(理学部3年)は「多少のハプニングでドタバタしましたが、みんな笑顔で楽しむことができたのが良かったです」と語る。関係者は「15分足らずの短い準備時間に滑り止めと板を並べ固定するのは大変。練習通り間に合って良かった」と話した。苦労の多かった今回のステージだが、この春サークルに入った1年生も参加。準備の即戦力としても活躍した。また短い練習期間ながら2曲踊ることに挑戦するなど、意欲的な姿勢だったという。Colorfulは毎年この北大祭の時期に世代交代をしているが、任せて安心できる後輩が育っているという声が聞こえるのも納得だ。

Queenの『’39』を使ったナンバーでは、「白Tシャツで爽やかな印象を演出した」という

中島さんは「朝早くからでしたが天気も良く、多くの方が見に来てくださり嬉しかった。来年度もステージで踊りに来ます!運営の方々やColorfulメンバー、Ryuga君、そして観客の皆様本当にありがとうございました!」と締めた。

設立3年目にして、2度目の北大祭ステージを成功させたColorful。新曲で使われたタオルは全員が違う色で、緑豊かなキャンパスを彩った。Colorfulによる”Colorful”なステージ。来年はまたパワーアップしたステージを見せてくれることが待ち遠しい。

(取材・執筆:古谷 写真:Colorful 提供)