6月末で北大のZoomライセンス終了へ 今後はGoogle Meetが主流に?

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北大は、今月30日(月)をもって、全学生に付与していたZoomエデュケーションライセンスを終了する。大学は代替としてGoogle Meetの利用を推奨しており、既に一部の授業では切り替えが始まっている。

Google Meetの画面

録画データは完全削除、Google Meetへ移行促す

4月3日に発出された公式通知によると、クラウドに保存されているZoom録画データは6月30日16時以降アクセス不可能になるといい、利用者には事前のダウンロードが強く推奨されている。また、7月以降に予定されていたZoom会議についても、Google Meet等での再設定が必要とされている。

通知では「ELMSアカウントを用いてGoogle Meetを利用できる」とし、Google Meetの使用方法も学内ポータルを通じて案内されている。

Zoomライセンスの恩恵とは

大学が付与していたZoomの教育機関向けライセンス(エデュケーションライセンス)では、通常の無料版とは異なり、時間制限なくミーティングを開催できる機能や、クラウドへの録画保存機能、より多人数の同時接続などが利用可能だった。特に、無料アカウントでは40分の時間制限があるため、1コマ90分の授業や長時間の会議を行うには不便があった。こうした利点が失われることで、Zoomを使い続ける利用者には不便を感じる場面も出てくる可能性がある。

教員は「大きな支障なし」、一方学生側には不安も

医学部のある授業担当教員は、取材に対し「今年度のオンライン授業は6月までしか担当していないためZoomで行いましたが、来年度以降はGoogle Meetを使う予定です」と述べた。また、Zoomのライセンス失効については「画面共有さえできれば支障は少なく、Google Meetでも問題ないと考えています」と冷静な見解を示した。

一方、工学部3年の男子学生は「部活の会議でZoomを使っていて、今まで40分を超えることがたびたびあったので、そうした際にどうしようか」と不安をにじませる。ただし、北大アカウントではGoogle Meetの利用制限は24時間となるため、代替ツールとして有効だろう。

また、歯学部2年の男子学生は「学部の授業でほとんど使わないので、あまり影響はない。できればお互いにとって効率的なオンデマンド授業を増やしてほしい」と答えた。

今後の課題と展望

Zoomはコロナ禍において大学教育を支えたインフラの一つであり、そのライセンス終了は一つの節目と言える。オンラインで行われる授業も減りつつあり、必要性が薄れてきたのも背景にあるだろう。
Google Meetの普及、またその活用が今後の教育環境をどう変えるのかにあたっては、教職員・学生の適応と大学側のサポート体制が鍵となる。

(取材・執筆:小田・安田 撮影:小田)