情報の「入口」を1つに 新ポータル Unire(ユニーレ)今年4月リリース

北大と株式会社タイムインターメディアが共同開発した統合情報共有プラットフォーム 「Unire(ユニーレ)」(以下Unire) が、今年4月に学生・教職員向けに本格運用を開始した。本システムには、スマホアプリ版とPC Webブラウザ版があり、学内情報を一元化することを目的としている。
従来利用されているELMS(教育学習システム)は授業を実施するための情報や教材を教員と学生の間で共有するツールである。一方、Unireは授業に関するお知らせを含めた学生生活に関するすべての情報の入口が集まるプラットフォームとなっている。
Unireの「Myホーム」では、ELMSのお知らせに加え、イベントの情報や奨学金制度の申請手続きの方法についてなどのお知らせもまとめて確認できる。スマホアプリ版では、重要なお知らせはプッシュ通知で届くため、見落としを防げるだろう。そのほかに、ELMSをはじめとした各種システムへのアクセス、災害時の安否確認、キャンパスマップの閲覧などの機能がある。また、2026年度からは時間割機能も提供される予定だ。
開発のきっかけ
北大は学生数や教職員数が多いこともあり、学内の情報共有手段が多岐にわたる。そのため、情報を一元化する必要があると考えたことが開発のきっかけだという。
北大は2023年11月に「統合情報共有プラットフォーム一式」の競争入札案件を募集。バーチャレクスグループの株式会社タイムインターメディア(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:大矢正典)が2024年2月にこれを落札し、共同開発先に選定された。
DX業務推進室の長島奈美さんは「タイムインターメディアは大学のポータルサイトやポータルアプリの開発実績があり、北海道大学に適したデータ構造やシステム設計を行うパートナーとして相応しい企業」と語り、同社を高く評価している。
現在、教職員向けには「各種手続きをワンストップで行えるオンライン窓口とすること」、学生向けには「すべての学生生活の窓口として利用できること」を目的に、ELMSをはじめとした各種システムとの連携により情報資源の入口の一元化を進めているという。
現在の利用者数・教職員の利用状況・システムトラブルの有無については、「現在、本学学生および教職員全体への導入に向けた取り組みを進めている段階であり、現時点では詳細な情報を提供することができないため、恐れ入りますが回答を控えさせていただきます」とのことだった。

教員・学生の声
では、実際Unireについて利用者はどう思っているのか。教員1人、学生3人にインタビューを実施した。
——Unireを使っていますか?
学生(1年) ELMSのページに飛ぶために使うくらいかな。あんまり使い方が分かってなくて使えてない。
学生(1年) アプリを入れたけど開くことはないね。正直不便だし、ELMSでいいなって思ってるから。
学生(1年) ELMSの通知が来るからそれで使うことあるかな。一度それで課題に気づけたことがあったよ。
——先生はUnireを使っていますか?
教員 使っていませんし、1回だけログインしてみただけです。「使わなあかんの?」というのが正直なところです。必要に迫られたら使いますが、今のところそうでもないので…
現在導入段階であることもあり、どう使うのか学生らが掴めていない面もあるが、今後はより使いやすいアプリとして北大生の新たな基盤になるだろう。
Unire はまだ導入1年目。巨大キャンパスの情報をどこまでスマートに束ねられるか。今後の進化に注目したい。
(取材・執筆:佐藤・三瓶)