【速報】北大文学部、研究室定員制を撤回 学生の反発を受け

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30日、北大文学部は学部1年生を対象とする文学部履修コース説明会で、研究室定員制を原則導入しないことを発表した。文学部の学生や教員による反対を受け、当初2026年4月から導入が予定されていた研究室ごとの定員制と、それに係るGPAによる選抜を撤回した形だ。ただし一部研究室は自主的に、来年度の配属より定員を設ける。

説明会では谷本晃久教務委員長が今回の経緯や学生に対して実施したアンケートの結果を説明、続く竹澤正哲副教務委員長は原因となった研究室間の学生数の偏りについて説明した。谷本教務委員長は冒頭に「時間を取ってお話させていただく」と述べ、「学期中途での告知につき、1年次学生のみなさんから、多くの反対の声が寄せられたことを受け、真摯に検討を行ってきた」とし、通達により学生に混乱を動揺を引き起こしたとして謝罪、学生に対し頭を下げた。その上で、「106名の1年次学生から反対の声を頂いた」として方針を撤回することを強調した。

竹澤副教務委員長は「学生の反対や北大新聞による教員へのアンケートもあり、教授会では反対の声を上げる先生方もいた」とし、今回の事態を説明。一方で「教員1人に対し学生2~3人が普通だが、一部の研究室は異常なまでに学生数が多い。過去20年間を見ても初めての事態」と述べ、人数の偏りを指摘した。そのため、研究室配属に定員制を導入することは、「一度した約束を破るとはよろしくない、ということで済む問題ではない」と発言。自身の計算では95%以上の学生が、希望通りの研究室に進むことが出来るとした。

文学部における2年次からの研究室配属に関しては、7月16日の通達直後から学生の反発が見られ、文学部学生有志による署名運動などが展開されてきた。こうした動きを受けて、9月5日の教務委員会で定員制の導入は見送ったが、各研究室の判断で定員を設けることは禁止しないという。現在のところ、事前アンケートの結果を受け、行動科学研究室と地域科学研究室は独自に定員を定める予定となっている。また、新年度にコース変更を含む研究室移動を希望する学生に対しては、研究室の判断により概ね定員を設けずに認めることを決めた。さらに定員調整を行う場合も、当初通達されていた2学期のみのGPAではなく通算GPAを用いることした。

〈11:05AM 速報〉

ただ、説明会の最後には文学部の瀬名波教授が「1年生の動揺の理由の1つには、年度途中に通達したことが納得できない、というものがある」と発言。また谷本教務院長による説明に対して「教授会で全ての教員が賛成したわけではない」、「一部研究室で定員を設けた時、希望通りの研究室に行けない5%はどうするのか」、「約束を守るのは大人として当然」、「学生は納得していないならば声を上げるべきだ」と指摘し学生から拍手が上がった。

谷本教務委員長はこれに対し「納得していただけますようお願い申し上げます」としている。

なお文学部研究室配属に関する質問は、本日12:15~ N1教室でも受け付けるという。
〈11:23AM 速報〉

(取材・執筆:古谷)