北大情報科学研究院から卒業生などの個人情報漏えい「学生風の人物」が盗んだか
北大大学院情報科学研究院は2日、不審な人物が研究室に侵入し、卒業生など106人の個人情報が持ち出された可能性があると発表した。現在まで情報の不正利用は確認されていない。
情報科学研究院によれば、漏えいが起きたとされるのは10月6日の夜。学生が研究室内のパソコンにログインした状態で離席している間に、学生風の別の人物が操作していたという。研究室所属の学生がこの人物を問いただしたところ「パソコンを使用している学生から頼まれた」と説明し、その場を立ち去った。
学生から報告を受けた大学が当該パソコンを調査した結果、卒業生の氏名や就職先のファイルがUSBにダウンロードされた形跡が見つかった。
流出が確認されているのは工学部・情報科学研究院・情報科学院の2005〜2024年のデータ。当該研究室では、社会・生活インフラや情報・データの作成・分析がAIを用いて研究されているという。
北大は警察や個人情報保護委員会に報告したが、人物の特定には至っていない。近藤敦研究委員長は「パスワード等を用いた適切な個人情報管理」「施錠・アクセス権限管理等による研究室入室の制限」を徹底するとしている。
(執筆:古谷)
