現代版ambitiousのすすめ 一歩踏み出したいあなたへ 〜起業、国際交流、etc.〜

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春は新たな出会いの季節であるとともに、新たなことにチャレンジしてみる絶好の機会でもあります。一方で一口にチャレンジと言っても国際交流や起業など、選択肢は様々。本企画では北大に数多くあるチャレンジの舞台の中から、代表的なものをピックアップしました。ユニークな取り組みをしている学生の実例に触れてみたい方必見の媒体もご紹介します。新入生の皆さんも2年生以上の方も、授業・サークルに限らず新たなやりがいやきっかけを求めて一歩踏み出してみませんか?

「学生のノーベル賞」ハルトプライズ SDGs達成を目指す世界的ビジネスコンペ

ハルトプライズは米国のハルトプライズ財団が国連と提携し2009年から運営しているビジネスコンテストで、「学生のノーベル賞」とも呼ばれている。本学では15年からプログラムが始まり、延べ300人以上の学生が参加した。

同プログラムでは毎年、SDGs(持続可能な開発目標)に基づいて決められる世界共通のテーマに関してのアイデアを競い合う。各大学の大会で勝ち進むと地域大会、強化合宿、世界大会へ進める。18年度に本学で開催された学内大会の準優勝チーム「アクアモウ」は淡水魚の養殖ビジネスを提案し、日本のチームとして初めて地域大会で優勝した。

本学ハルトプライズ運営委員会では参加のハードルを下げるためのプログラム改善策として、21年度大会からトレーニングプログラムの提供を開始した。食べられる箸のビジネスを考案し21年度学内大会で優勝した「Yummy choice」も同トレーニングを通じて結成された。

優勝時のYummy Choise

新渡戸カレッジ 多様性を尊重する「グローバルリーダー」を育成

新渡戸カレッジは本学の学部横断型サポートプログラム。学部教育コースと大学院教育コースの2種類があり、学部教育コースの在籍者は2020年度末で554人。

同プログラムの目標は、「グローバルリーダー」と呼ばれる「多様性を尊重できるリーダーシップのある人間」の育成だ。主体的に学べるカリキュラムが組まれており、リーダーシップや異なる価値観についての学びを通して国際性を育むことができる。

学部教育コースの軸は主に2つ。1つ目は留学であり、必修科目になっている。2つ目は北大OB・OGで構成される「フェロー」であり、かかわりを通じて多種多様な経験や知見を得ることができる。「新渡戸カレッジの学びを通してかけがえのない人間関係を築くこともできる」と担当職員は話す。

 応募は4月8日17時30分までに公式サイトのフォームから。任意参加の入校説明会が4月8日(金)16時から高等教育推進機構大講堂で行われる。

『Knows(ノース)』 「おもしろ大学生」のユニークな取り組みから刺激を得られるフリーペーパー

『Knows(ノース)』は主に道内の大学に通う「おもしろ大学生=普通にキャンパス内を歩いていても出会えないような大学生」のユニークな取り組みなどを紹介しているフリーペーパー。2021年の創刊以来、「輝く大学生で溢れる北海道に」をコンセプトにVol.1から3を紙媒体とウェブマガジンの形式で刊行してきた。22年4月には内容・量ともによりパワーアップした『Knows〜道内大学生のぼうけんのしょ〜』を発刊予定で、インタビューした学生は創刊から通算で50人を数える。

Knows最新号表紙(Knows提供)

「もっと大きなことを成し遂げたい」(代表で教育学部3年(休学中)の金子新太郎さん)と今回の発行で同メディアは活動を終了するが、金子さんは「固定観念にとらわれないで、いろんな選択肢があることを知ってもらいたいと思って制作した。雑誌自体はこれからも残るので、ぜひ大学生の冒険のおともにしてもらえれば」と最新号に込めた思いを語った。

 バックナンバーやインタビュー記事はホームページ(https://knowshokkaido.studio.site)から閲覧できる。

DEMOLA 企業と学生が共同でアイデアの創造を目指す

2021年度3回目の最終発表会(DEMOLA北海道提供)

DEMOLAはフィンランドのDEMOLA GLOBAL社が提供しているアントレプレナーシッププログラム。企業や自治体などと学生が共同で、企業などから出された「課題」をクリアするためのアイデアを8週間かけて考え、実現させていくことを目標としている。最終的に企業などがアイデアに価値を感じ、採用されればアイデアの評価によって5000から15000ユーロが学生側に支払われる。

本学では2018年から始まり、21年までに他大学を含め延べ175人の学生と25社が参加した。日本での導入例は本学のみであり、本学では、学部生は一般教育演習(フレッシュマンセミナー)、大学院生は大学院共通科目で単位化されている。

学生は参加者同士でチームを組んで課題解決に取り組むが、そのチームには企業側の担当者も参加する。アイデアを創る過程での手厚い支援もあり、1年生から大学院生まで幅広く参加できる。アイデアを考える過程でブルー・オーシャン(未開拓領域)を見つける能力が身につくことや企業との深い関係ができることも魅力だ。

同プログラムオペレーターで本学産学・地域協働推進機構の杉村逸郎さんは「違いのある学生が集まってイノベーションを生むことも魅力」と話す。

22年の第1回エントリーはすでに終了したが、6月20日から第2回、8月30日から第3回のエントリーをそれぞれ1カ月間受け付ける予定。

参加にはDEMOLA公式HPからエントリーが必要である。英語のページだが日本語のマニュアルが用意されている。

【教員からのメッセージ】「やるか迷ったらチャレンジして、能力を発揮してほしい」 -産学・地域協働推進機構 スタートアップ創出部門長 土屋努特任教授

本学産学・地域協働推進機構でスタートアップ育成支援の先頭に立つ土屋努特任教授は本学の恵まれた環境を最大限に活用して起業などに積極的にチャレンジしてほしいと語る。

起業に向けて挑戦することについては「社会のために起業したいと考える人が最近は多い。新しいことに挑戦していく人たちは楽しそうに映る」と話す。「大変なこともあるが、険しい山を登ることと同じく見える景色も違う。(自らの学びを起業などの形に応用することで)何のために勉強しているのか分かるようになるだろう」とその意義を強調する。

本学の環境に関しては「本学には豊かな自然環境や多様な学部、各地から集まる学生など恵まれた環境がある。トップクラスのものも含めて多種多様な研究があり、社会に還元できる宝庫だ」と指摘。その上で「21世紀は知と産業の融合の時代なのでその主体になってほしい。あとはアクションを起こすだけ。やるか(やらないか)迷ったらチャレンジして自分の能力を見つけて発揮してほしい」と学生にエールを送る。

一歩踏み出す勇気が現時点では持てていない学生に対しても「(起業支援の枠組みに関してなど)まずは情報として頭に入れておいてほしい」と多様な選択肢に触れることの重要性を語った。

土屋努特任教授(本人提供)