7月末の津波、練習船への影響なし  警報発令時、おしょろ丸は港内停泊、うしお丸は調査航海 函館キャンパス

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7月30日、カムチャツカ半島沖の巨大地震(M8.8)により、函館キャンパスが位置する函館市では、最大40センチメートルの津波を観測(函館港、30日午後7時)。同キャンパスでは、臨時避難場所として管理研究棟が開放されたほか、30・31日が臨時休講となるなど、影響を受けた。

津波警報発令時(7月30日午前10時40分)の函館港の様子。画像左矢印が附属練習船おしょろ丸。右側には港外に退避する船舶が確認できる。(函館キャンパス管理研究棟から)

津波警報発令時、北大水産学部附属練習船おしょろ丸(総トン数:1598トン)は港内に停泊、また同練習船うしお丸(総トン数:262トン)は津軽海峡上を調査航海中だったことが北大新聞の取材で分かった。今回の津波による被害はなく、今後の航海や基礎乗船実習を含む実習への影響はない。

北大水産学部附属練習船おしょろ丸(画像奥)、同練習船うしお丸(画像手前)(8月10日撮影)

また当時、おしょろ丸が港外退避ではなく、係留避泊(岸壁への係留強化などによる安全確保)の対応を取った理由について、函館キャンパス事務部船舶担当は「警報発令から到達予想時刻までが短く、乗組員を集合させた場合、本船に向かっている際に遭難する可能性があること、 必要最低限の乗組員集合から出港準備完了までには少なくとも1時間を要し、出港前に津波が襲来する可能性が高いこと、仮に津波襲来前に出港することが出来ても、安全な海域(水深50メートル以上の津波の影響を受けない安全な海域)まで達する事が出来ない可能性が高く、その場合係留避泊より危険な状況に陥る可能性があること」を挙げた。当直者など在船者を高台に避難させ、津波到達までの短い時間で取りうる最善の対応をとったと言える。

またうしお丸については、テレビ及びラジオで情報収集を続け、水深の十分な海域にいたことから、調査を実施しつつ警戒にあたったとしている。 

(取材・撮影・執筆:高野)