連作小説「北極星をえがく」7月25日から配布開始
イラストレーター・岩間さんとの邂逅
「作品として本を出すに当たり、表紙とかイラストが絶対必要」だったと話す野口さん。北海道にゆかりのあるイラストレーターを探していた。見つかったのは、水彩画風の優しいタッチで自然を描く岩間翠さん(生命科学院修了)。
野口さんが岩間さんと初めて顔を合わせたのは、2025年の年明け。趣旨を説明し依頼すると、岩間さんは「私でいいのか」と驚きながら「ぜひ協力したい」と快諾してくれたという。岩間さんのイラストが、この小説を彩ることが決まった日だった。

印刷を手がけるアイワード
当初は、校正や編集を担う祥伝社に、印刷まで依頼する予定だった。しかし、祥伝社の拠点は東京。予定では1話につき1万強の冊数を発行、札幌まで郵送するには予算的に厳しいものがあった。
印刷を道内で担ってもらえるところがないか探した。白羽の矢が立ったのは、株式会社アイワード。北大の広報誌の印刷や、第1話のテーマともなった「蛙学への招待」を取り上げた書籍※の出版もしている会社だ。
実際に発行された小説を見ると、裏表紙には北大の沿革が掲載されている。そういった細かい体裁やデザインは、アイワードと相談して進めているという。
※「あの授業だけは取るな!『解』のない世界で活躍できる究極の学び:『蛙学への招待』とは何か?」

ジンギスカンパーティ
小説を執筆する岩井さん、小説の校正、編集を担う祥伝社、表紙イラストを手がける岩間さん、最終的なデザイン・印刷を行うアイワード。小説を作り上げる4者が揃った。
第1話「教養棟の蛙たち」には、主人公の友人が北大構内でジンギスカンパーティ、いわゆる「ジンパ」をしている描写がある。今年6月には、まさに小説に描かれた場所で「北極星をえがく」関係者で一堂に会しジンパを行ったと、野口さんが笑顔で話してくれた。
