地震、ブラックアウトから1年 本学教員、新聞記者らが本学でフォーラム

朝日モーニング
Pocket

講演する新聞記者の宇野沢晋一郎さん(7日、本学学術交流会館)

昨年9月の胆振東部地震とブラックアウト(全域停電)から1年を迎え、これまでの取り組みなどを振り返り、議論するフォーラムが7日、本学学術交流会館で行われた(フォーラム実行委員会主催)。本学教員や、新聞記者、道の危機対策課長など防災関係者が集まり、意見を交わしあった。

北海道新聞記者の宇野沢晋一郎さんはこれまでの取材をもとに複数の課題を挙げた。地震、停電の後、コンビニに弁当が供給されるまでに時間を要したことについて、例えば幕の内弁当のごはん、揚げ物はあっても漬物がなく規格外のため棚に並べられない状況で、その際フードロスという面で大きな損失を出したと指摘。こうした問題にも再度目を向けてほしいと呼びかけた。

ブラックアウトについては、第三者委員会での最終報告は出たものの、再発しないよう更なる検証をして、何が問題だったのかをわかりやすい形で示すことが必要との考えを示した。次なる災害への備えを巡ってはセコマが3000万円を投じ、停電時にキャッシュレス決済を使えるようにするなどの対策に動いているのを引き合いに「(災害時に)何を残して何はいらないのか、それにどれだけのお金を投じられるのか、(地震から1年を迎え)もう一度考えたほうがよい」との意見を述べた。

情報学を研究する本学産学・地域協働推進機構の山本強(つよし)特任教授は、災害時における情報の重要性などについて講演。今回の地震では、停電が最大の関心事であり、グーグル検索やツイッターでは「避難所」などよりも「充電」が多く検索・投稿されたとの分析を紹介した。またSNSでみられる「フェイクニュース」について、多くの発信者に悪意はなく善意で伝えようとする特性があるとの考えを示した一方で、市民レベルの情報リテラシーが向上し、「(胆振東部地震では)2016年の熊本地震などと比べデマ情報が目立っていない」と述べた。

冬の電力の安定供給を巡り省エネコンサルティング会社、あかりみらいの越智文雄社長は、LED化など北海道での節電の取り組みが遅れていることも影響すると指摘。また、真冬にブラックアウトが起きていた場合を想定することが現在必要な危機管理だとし、「経験したことは想定して何とかしないと」と話した。

道危機対策局の所秀和危機対策課長は、“まさかは必ずやってくる“との標語を職員間で共有しており、「避難所運営など冬の防災訓練も考えている」と述べた。

ハイブリッド車から家電製品に給電する実験も行われた。手前のライトは奥の車からの電力でついている。新型のハイブリッド車で1.5キロワットまで電力供給できるという(7日、本学学術交流会館)