本学で副知事が講演 後輩へ向け「日本、世界、北海道の未来を託されている」

朝日モーニング
Pocket

講演する土屋副知事

本学文系共同講義棟で10月31日、「北海道に育てられた僕が北大生の皆さんに期待すること」と題し、本学農学部卒業生で道副知事の土屋俊亮(しゅんすけ)氏が講演した。同氏は北海道を取り巻く昨今の状況について説明し、在学生に向け期待の言葉を贈った。この講演は本学法学部同窓会の寄付講演として行われ、会場には法学部生を中心に多数の学生らが集まった。

 

土屋氏は砂川市生まれ。農業や行政に関心を持ち、本学では農学部畜産学科で学んだ。公害問題などが深刻化する中で公務員を志し、「北海道に恩返ししたい」と北海道庁に入庁した。厚生労働省への出向も挟み、道庁職員として農業関連の部署で長年勤務。農政部長などを歴任し、今年6月に副知事に就任した。

同氏は冒頭、世界の人口問題や食糧問題などに言及しつつ、「変えられる環境と変えられない環境がある」と指摘。世界全体では今後確実に食糧が不足すると警鐘を鳴らした。道内への移転を検討している欧州のワイナリーの実例なども交え、気候変動とも絡めて北海道の農業の今後の見通しを紹介した。コメや小麦などは平均気温の上昇にも耐えられるが、乳牛やジャガイモ、ビートなどは暑さに弱いという。

加えて同氏は、北海道の持つ強いブランド力が北海道の成長のカギになるとの見方を示した上で、自身が取り組んだ道産米の品質向上の成果などを紹介。食と観光が北海道の基幹産業だと力説した。

会場では多くの学生らが講演に聞き入った

講演では北海道で働くことの意義についても言及。北海道が直面している様々な課題については「北海道の課題が世界にも通用する」と述べ、「北海道にいるからこその世界との関わりもある」と語った。

土屋氏は最後、英国の生物学者ダーウィンの「唯一生き残ることが出来るのは、変化に対応できる者である」との言葉を引用し、本学の学生に向けてエールを送った。変化の激しい国際情勢の中、「環境の変化に対応しながら戦略を練ることが重要」だと指摘。北海道の日本や世界に対する影響力を踏まえ、「北大生は日本、世界、(そして)北海道の未来を託されている」と述べ学生一人ひとりに奮起を促した。