コロナ禍で来られない人にもOMOTENASHIを ―英語でキャンパスを巡るバーチャルツアー開催

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本学のキャンパスをオンラインで体感できるツアー「Hokkaido University Virtual Tour」が、8月22日に開催された。本学が主催するサマースクール「Hokkaido Summer Institute(HSI)」の一環として、HSI参加学生に加え、本学に関心のある高校生や海外の学生なども対象に英語で行われた。

HSIとは2016年度から本学が開催している教育プログラムで、今年は6月から10月にかけて行われている。本学学生だけでなく日本の他大学の学生や海外学生も受講可能で、優れた実績のある教員を海外からも招へいし、全て英語で授業が実施される。

クラーク胸像からツアーはスタート

ツアーは動画投稿サイト「ユーチューブ」でライブ配信された。事前予約制で、当日は100人超が同時視聴していたという。主に3組の学生がガイドを務め、クラーク胸像、中央ローンを説明したあと、メインストリート、図書館本館、古河講堂、総合博物館と本学の代表的なスポットを中心に進んだ。後半は恵迪寮を訪ね、漫画のある図書室や、こたつのある事務室などユニークな内側が紹介された。最後は新渡戸稲造胸像、ポプラ並木、第一農場を巡り、ツアーを締めくくった。

恵迪寮の内部も紹介された

主催したのはHSI公認団体の「HSI Team OMOTENASHI」。本学の海外研修プログラムで意気投合した5人の学部2年生が中心となって今年度から活動を始めた。本学国際交流課と連携し、HSIで海外学生と日本人学生が交流できるオンラインイベントの企画運営を行っている。

今回、バーチャルツアーを行うことになったきっかけについて、同チームの川手紅梨子(くりこ)さん(文学部2年)は「コロナ禍で、HSI参加学生をはじめ海外学生や高校生など北大に来ることができない方のために、北大の雰囲気を感じてもらえるような場をつくりたいと考えた」と話す。また、多くの人が手軽に参加できることを考慮してユーチューブのライブ配信機能を採用した。ツアーには、20を超える国々から296人の申し込みがあり、高校生と他大学の学生がそれぞれ3割を占めた。川手さんによると「特にインドネシアやタイといった国からの申し込みが多い印象」だという。

最後は第一農場でツアーを締めくくった

コロナ禍でも国際交流の場を

「将来北大に来てみたいと考えているすべての方を対象としたイベントだったが、ツアーはあくまで学生目線で行うことを意識した」と川手さん。「現役北大生ならではの目線で捉えたキャンパスとその魅力をありのまま伝えられるよう準備した」と語る。当日はコメント欄を開放しており、質問などもここから受け付けていた。配信中には視聴者同士のコメントのやりとりがあり、「交流が行われていて嬉しく感じた」。

現在はHSIの締めくくりのイベントとして、本学の特別教育プログラム「新渡戸カレッジ」とコラボしたオンライン英語プレゼンコンテストの準備を行っている。パンデミックをきっかけとした持続可能な新しい観光の在り方がテーマだ。川手さんは「コロナ禍という状況だが、日本人学生と海外学生が多様な意見を交流できる場となるよう準備していきたい」と意気込んだ。