「食を通じて人と人とのつながりを生み出したい」 間借りカレー店「ふくろう」出店の北大生・谷 郁果さん

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本学教育学部1年の谷郁果(ふみか)さんは飲食店などを間借りしてオリジナルカレーの提供に取り組んできた。活動を通じて「食」への興味が広がり、今後は大学生の食に対する意識向上に取り組みたいと意気込む。そんな谷さんに間借りカレーを始めた経緯と今後の展望を聞いた。

カレーを提供するに至った経緯は?

所属していた学生団体でオンラインイベントを主催する立場になった際に、「一カ月後の夢を叶えよう」という企画をする話になったのはいいものの、なかなか夢が思いつかなくて。その時に誰かが「好きな食べ物は何?」と聞いてくれて、カレーが好きだと答えたのを学生経営バル「taSUKI(タスキ)」の店長さんが聞いており、間借りで一日カレー屋をやってみないかと誘っていただいたのが始まりです。もともとカレー作りは未経験でしたがイベントの準備期間が一カ月しかなかったので、おいしいカレーを作るべく試作を重ねて、毎日カレーを食べてました(笑)。

谷さんのカレー(本人提供)

カレー店をしていてやりがいを感じたことはありますか?

おいしいカレーを提供することはもちろん大事だとは思いますが、間借りカレー店に来てくれるお客さん同士が仲良くなる場になったのは良かったです。カレーを通じて人と人をつなぐ場作りができたことは非常に面白かったです。

カレーはいつから好きですか?

高校3年生の受験期にお母さんがスパイスカレーにはまって毎週金曜日の夜に作ってくれて、それから本格的に好きになりました。コロナ禍で休校も多くて友達にも会えない状況だったので毎週楽しみにしてたんですよ(笑)。そこから私自身もだんだんとカレーにはまっていって大学生なってからもバイトで稼いだお金で札幌のカレーを色々食べ歩きました。

最高傑作のカレーは?

カレー作りに特にこだわりはなく、呼んでいただいたイベントにあったカレー作りを心掛けています。

11月の終わりごろに江別市であった若者主催のイベントで提供した無水パキスタンカレーがめちゃくちゃおいしくて(笑)。お客さんにも好評で今でも「あの時のカレー美味しかった」と言われますね。私自身も胸を張って「美味しい」といえる出来栄えでした。

今後の展望は?

カレー以外にも「暮らし」や「地域」、「食」といったトピックに興味が広がっていて、いろいろとアイデアを考えています。最近では大学生に向けた食への意識向上を促す活動をしたいと考えています。大学生の中には一週間ずっと、栄養補助食品だけしか食べなかったり、朝昼食べないで夜にメロンパン一個しか食べなかったりという人が少なくありません。不摂生をしてもまだ若いからどうにかなっているかもしれませんが、年を取ってしまってから体に思わぬガタが出てきてしまうかもしれません。食は体の健康だけではなく心の健康にも関係していると思うので大変問題だと感じます。私はもともと食べることが好きで農業にも興味があり「こんなにいい野菜があってこんなにいい生産者さんがいるのに…」ともどかしさも覚えます。また日本全体で野菜やお米の消費量が減っていることも心配です。

谷郁果さん(本人提供)