コロナ下でも対面開催模索 祭りにかける思いとは -北大祭・金葉祭実委対談【後編】

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【前編からの続き】

※学年の表記を除き、本記事中の内容は取材時点(3月下旬)のものです。最新の状況とは異なる場合がありますのでご了承ください。

例年の北大祭の様子(2018年の第60回北大祭)

--今年のイベントの構想を教えてください。

北大祭実行委員会実行委員長・小林俊介さん(理学部3年) 情勢に応じて段階を設けますが、第一希望の開催形態としては、今まで通りに近い形で、ただ企画数や出店数を大幅に減らすというイメージで考えています。消毒液の補充などコロナ対策に人員や費用が必要になるため、ステージも例年は2つありますが1つに減る予定です。

オンライン開催も選択肢ですが、企画の大部分が意味をなさなくなるので、直前で情勢が悪化した場合の保険という意味合いが強いです。委員会内では6月のオンライン開催よりも延期して対面で開催することが有力です。オンラインの場合は発表系企画の配信が中心になると思います。

広報活動を縮小して来場者の呼び込みも少なくはしますが、北大関係者のみなど対象者を限定するということはしない方針です。

コロナ対策ではステージでの座席指定・建物内の入場制限などの対応を考えています。食事提供もやりたいと考えていて、食べ歩き防止のためパーテーションで区切った食事スペースを設ける構想です。

金葉祭実行委員会昨年度代表・正村海登さん(理学部3年) 北大祭同様、情勢を見て変化しますが、やはり実際に飲食屋台や実験・工作・縁日屋台などを出して、対面でライトアップするというのが、最もやりたいことです。消毒など感染対策は工夫していきたいと思っています。

まだ春なので企画の具体案は出ていませんが、去年と一昨年が中止(やオンライン開催)になってしまったので、協賛などでそれまで手助けをしてくださった地域の方やお店に関する情報発信を充実させるなど、地域密着型の祭りにしたいなとは考えています。

小林俊介さん

--学内外へのメッセージや抱負をお願いします。

正村 先ほどご紹介したように、より地域に密着して地域により愛される祭にしたいと次期代表ともども思っています。また今年もどんな形ではあれ金葉祭は開催するので、ぜひご注目をいただきたいということを一番お伝えしたいです。

見てくださった方に気持ちを明るくしてもらいたいという思いを持っているメンバーが委員会内では多く、オンラインであっても開催したいと考えています。

小林 先日大学とも協議をして、6月対面開催の可能性も十分あると考えています。今(3月下旬時点)は大学のBCPレベルが2で、学生の課外活動も部分的に認められていますが、学生の間でクラスターが発生するなどしてしまうと課外活動もなくなり、6月の対面開催もかなり危うくなります。「各々自覚を持って慎重に活動して北大祭をぜひ対面でやりましょう」と呼びかけたいです。

私たちは対面形式を大事に考え、コロナ対策とも両立させつつ、できる限り多くの参加団体・北大生が、できる限りやりたい企画を実現して楽しめるように開催計画を整えていきます。対面で顔と顔を突き合わせて交流することに北大祭の本質があると思います。

--本来自分達がやりたいことができないことに対するもどかしさはありますか。

小林 僕が北大祭の実行委員会に入った理由は、何か一つの目標に対して同じ目標を持った仲間と頑張ることがすごく面白いということにありました。対面での関わりがない状態で進めることはどうにも寂しいですね。

作業の進捗も対面形式より効率が悪く、そこにも結構もどかしさがあります。ノウハウの継承も難しく、学生の文化が少しずつ失われていくことへの危機感も抱いています。

正村 対面でやった方がライトアップした瞬間やライトアップをお客さんが見ていて、「あの人は明るくなったな」とか直に見られるのでそういった点にもどかしさがあります。オンラインでの情報伝達や意見交換の難しさも感じています。