【解説】北大前総長の解任取消訴訟、いったい何が争われたのか

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13日、本学の前総長・名和豊春氏が本学と国に対し解任処分の取消などを求めた訴訟の判決が、札幌地裁で言い渡された。判決は原告の請求を棄却するもので、本学・国側の主張が全面的に認められた形だ。

判決を聞き終え、地裁前で報道陣の前に立つ名和氏と弁護団ら。左から3人目が名和氏(13日)

今回の訴訟は、2020年6月に総長を解任された名和氏が同年12月に処分は不当だと訴えたもの。文部科学省は本学の総長選考会議からの申し出に基づき名和氏による28件の非違行為(パワハラ行為など)を認定して解任に踏み切ったが、同氏がこれに反発した。

当初、法廷闘争はこう着状態となった。本学側が非違行為を立証する情報の公開や証人の出廷要求などに同意しなかったためだ。しかし、昨年6月にハラスメントを受けたと主張する職員などの証人尋問が始まったことで審理は一転。尋問開始からわずか4ヶ月で、昨年10月に結審した。

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