解任された北大前総長、改めて「パワハラはしていない」と主張

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13日、本学前総長の名和豊春氏による自身の解任処分の取消などを求めた訴えが札幌地裁に棄却された。判決を前にした10日に、名和氏が本紙のインタビューに応じている。

札幌地裁での判決を解説する記事はこちら

報道陣の取材に応じる名和氏(左奥)(13日、札幌市内)

自身のパワハラ疑惑について

———改めて、総長選考会議が認定したパワーハラスメントは行っていないのか?

行っていない。職務に問題がある職員に対しては注意をしたが、それはその職員が任された職務を怠ったことに問題がある。総長としては当然の行為だ。

———「ハラスメント」として問題視されているのは、その「注意」の方法だ。総長選考会議に認定された30件のハラスメント行為などの中には机を叩いて叱責するなどの行為もあったが、こうしたことは事実か?

机を叩いたと認定された事案については録音が証拠として提出されたが、これは私の癖で話している途中に机を指で軽く叩くことがあるだけのこと。叱責する際でなくとも机を軽く叩くことはあるため、総長選考会議の指摘は完全に的外れだ。

———意図がなかったとしても、叱責された職員が過度に精神的な重圧を感じることはある。総長としての名和氏の言動は職員にとっても名和氏個人としての言動とは違った重みを感じさせることがあったかと思うが、この点についてはどう考えるか。

そもそも、私は「上の者」として職員に接してきたつもりは一切ない。総長は仕事を任せる側、職員は仕事を任される側。職員とは対等な関係だと思ってきたし、欧米をはじめとした世界においてはそうした見方が標準だ。もちろん私も人間だから職員に対して不適切な言動がなかったとは言わないが、そうした場合には必ず自ら相手に謝罪している。「言い方」には配慮してきたし、その上で総長選考会議に認定された事案については全て私に問題のない行為または虚偽だと考える。近年の職員は怒られることを過度に恐れて、世界で広く認められるハラスメントとは何か正しく理解できていない。怒ったのは相手に期待していたから。

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