【受験特集:どんな道でも、道は道】第5回(1) おもろい成川は、どこにいてもおもろい成川や

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5人に1人は後期試験入学者

「北大合格者数 〇〇人!」札幌駅前の広告に躍る数字が通行人の目を引く。北大は「あこがれの大学」だと思われるかもしれない。

その一方で、こうした広告には東大の合格者数が並んでいることも多い。北大は時々「下」に見られるのだ。

そして、北大生も北大を下に見ることがある。前期試験では第一志望の他大学に不合格となり、後期試験で合格した北大へ入学する学生も多いからだ。後期入試の募集人数が他の国立大学と比較して多い北大では、令和5年度の全入学者2525人中465人と、全体のおよそ2割(18.3%)が後期入試で入学している(記者算出)。3月の初めには第一志望の大学の周辺でマンションを探していた記者自身も、まさか1か月後には心の整理もつかぬまま札幌で1人暮らしを始めることになるとは思いも寄らなかった。

成川さんはまさにそのような受験遍歴を持つ一人だ。

過去問は2年分だけ 高校生の成川さん

成川さんの出身校は東大や京大、医学部への進学者が卒業生の大部分を占めるだけでなく、部活動などで全国規模の複数の実績を持つ学校だ。成川さんも中学3年生の時、校内で英語ディベート同好会を設立する。全国大会上位の常連だった日本語ディベートの仲間らとも共に活動を続けた。設立わずか1年の高校1年生の時に全国大会に出場した他、強豪校が揃う関西大会で優勝するなど成果を残した。

英語ディベートの関西大会で優勝し、賞状を手に持つ高校2年生の成川さん(中央)(本人提供、画像の一部を加工しています)

学業面では、高校2年生で文系クラスに進級すると、学年上位層に名を連ねる。
「席次は15番前後。洛南の文系では上位20人が東大と京大に現役で受かると考えられていました」順当にいけば京大に受かるだろう、と考えるのも無理はない。 

迎えた高校3年生。塾には通わず自分自身で勉強した。そのためか、「京大の過去問は2年分しか解かなかったし、本番まで受験テクニックというものをほとんど知りませんでした」。

しかし、大手予備校が実施する「冠模試」(志望校別に特化した模試)では結果は振るわなかった。2021年の共通テストでは9教科で748点を獲得したが、京大志望者の中では良い点数とは言えなかったため、文学部よりも合格の可能性が高かった法学部に出願する。前期試験本番を終えたが、結果は不合格。「ワンチャンあるかも」と思っていたが、得点力不足はカバーできなかった。

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