新型コロナ影響大きく 卒業式・入学式中止(5月号)

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構内を歩く人は少ない(3月20日午後2時ごろ)

新型コロナウイルスの感染拡大が本学にも多岐にわたる影響を及ぼしている。卒業式や入学式といった大きな行事が軒並み中止になったほか、新年度の授業開始はほぼ全ての学部で繰り下げに。博物館などは休館が続く。本学構成員の感染者は22日時点で2人確認されている。

本学は新型コロナの感染が北海道で広がるなか、イレギュラーな対応を次々と打ち出してきた。感染拡大を防ぐため卒業式、入学式を中止。少なくとも2004年度以降、両式典が中止になったことはなく異例の措置だ。

一般入試後期日程では2次試験を取りやめ、初めて大学入試センター試験の成績のみで合否を判定した。合格発表も前・後期ともにウェブサイトのみでの掲載に切り替え、恒例となっている合格番号の掲示板前での胴上げの中止を余儀なくされた。

本学では3月4日に大学事務局で働く60代の男性職員の感染が判明。4月8日にも北海道大学病院に勤める40代の男性医師の感染が確認された。本学構成員の感染者は22日午前時点でこの2人となっている。

国内での感染拡大を受け、本学は16日、全学共通の行動指針(BCP)を策定し、感染の状況などに基づくレベルに応じた対応を定めた。制限のレベルは4段階で、研究活動や授業のほか、学生の課外活動、事務体制、会議の対応を示す。

22日時点では政府の緊急事態宣言に基づく緊急事態措置が北海道知事から出されているためレベル3に該当するとしている。BCPにより、研究活動は大幅に制限され、授業はオンラインのみ。学生は学内のインターネット設備の利用もできない。また、職員は17日から半数以上が順次在宅勤務に切り替えた。

新学期の授業は獣医学部以外の学部で開始日の繰り下げが決まっている。新入生が受ける全学教育をはじめ、文学部や理学部などの大半の学部では5月の連休明けに授業を始める。本学は「ウイルスの感染拡大状況を考慮した」(広報課)と話す。

新入生は極めて異例の門出を迎えることになった。入学式は行われず、授業はオンラインになり、同級生との顔合わせのメドは立っていない。学生証も郵送で受け取った。また政府の緊急事態宣言を受け、本学は道外にいる新入生について、札幌への移動を控えるよう呼び掛けている。

施設の休館も相次ぐ。付属図書館の本館・北図書館は18日から当分の間、臨時休館となった。これまでは会話を禁止にするなどの措置を取った上で開館してきたが、政府の緊急事態宣言により決めた。総合博物館も2月末から閉館している。

生活健康学が専門の本学教育学研究院の山仲勇二郎准教授は、外出自粛に伴って生活リズムが乱れないよう、注意を呼びかけている。山仲准教授は健康維持のためのポイントを挙げており、①朝起きたら太陽光を浴びる②朝食はよく噛んでしっかり食べる③メリハリをつけた生活を送る④夕食が遅くならないよう注意する⑤夜は部屋をできるだけ暗くして、眠くなったら布団に入る――の5つだ。詳細は山仲准教授の研究室のホームページで公開中。

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