日本にいながら積極的に国際交流 参加する側からつくる側へ 川手紅梨子さん(文学部4年)

Pocket
LINEで送る

川手紅梨子さん(本人提供)

新型コロナウイルス感染症の影響で留学などが制限される中、日本にいながら積極的に国際交流を行い、英語を使って様々なプロジェクトを進めてきた川手紅梨子(くりこ)さん(文学部4年)。現在は本学の留学生とともに、海外からの学生と日本人をつなげる学生スタートアップ「Beeber Global」を立ち上げるための準備を進めている。川手さんに、コロナ禍で行ってきた国際交流や今後について聞いた。

英語に興味 きっかけは「洋画」

修学旅行で行ったハワイでは、幼少期から続けていた少林寺拳法のパフォーマンスを行った(本人提供)

━━英語に興味を持ったきっかけを教えてください。

洋画好きな両親の影響で、小学校高学年の頃から洋画を見るようになりました。

洋画の世界では、言葉はもちろん、登場人物の行動や文化なども日本と大きく違いますが、子供ながらにその違いが分かっていたんだと思います。見ているうちに、このような人たちと話してみたいな、英語が話せるのってかっこいいなと思うようになりました。

幼少期は英会話に行ったりすることもなかったので、高校に入るまでは、英語に触れるのは洋画や学校の授業が中心でした。

━━高校進学後は、英語に触れる機会が増えたのですか?

私の高校には普通科以外にも様々な学科があって、私は英語や国際交流に力を入れている国際文化科に進学しました。そこでは英語の授業がたくさんあって、しかも英語の授業はすべて英語で行うというやり方でした。

また、留学生や海外の姉妹校の生徒が学校に来ることも多く、外国の方と関わる機会がたくさんありました。プログラムや修学旅行で海外に行くこともありました。

高校生活では英語を話す機会を持つことの重要性を実感しました。日本では英語を話す機会はあまりないので、授業や外国の方との交流などでそういった機会を習慣的に持つことができたのはよかったと思います。

コロナ禍でも日本にいながら国際交流

HSI Team OMOTENASHIでは本学交響楽団とともにアンサンブルコンサートも行った(本人提供)

━━北大入学後について教えてください。

私が北大に入学した2020年は、ちょうどコロナの流行が本格化してきた頃でした。授業をはじめほとんどすべての活動がオンラインになり、大学に行くこともあまりなくて。大学では留学したいと思っていたので新渡戸カレッジにも入りましたが、留学どころか「キャンパスライフとは何ぞや?」という感じでしたね。

「何かやりたいな」という気持ちはずっとあったのですが、最初はなかなか思うようにはいきませんでした。

━━コロナ禍ではどんな国際交流をしていましたか?

1年生が終わり2年生になる春休みに、海外の学生と交流する「FSP(ファースト・ステップ・プログラム)」という授業をとりました。その授業で出会った仲間と、「HSI Team OMOTENASHI」という団体を立ち上げました。

北大には「Hokkaido Summer Institute(HSI)」というプログラムがあり、毎年夏に海外から研究者や学生を招いて英語で授業を行っています。私も2年生の夏に参加しようとしていたのですが、そのときHSIで国際交流イベントの企画者を募集していたんです。ずっと「何かやってみたい」と思っていたので、思い切ってメールを送りました。

そこでつくったのが「HSI Team OMOTENASHI」というボランティア団体で、HSIに参加する海外からの学生を対象に様々なイベントを行いました。2021年のHSIはオンラインでの実施だったので、英語で北大構内を案内するバーチャルツアーをやったり、バーチャル空間に北大を作ってオンライン交流会を実施したりしました。

また、イベントの一つとしてSDGsに関するプレゼンコンテストも開催したのですが、これが今の私の活動につながっているんです。

━━どのようなつながりがあったのでしょうか?

コンテストの審査員として様々な方を招いたのですが、その中の1人が「Hult Prize(ハルト・プライズ)」の運営をしている方でした。その方の誘いを受けて、2年生の9月ごろからハルトプライズの運営にかかわるようになったんです。

ハルトプライズは世界規模で行われている学生ビジネスアイデアコンテストで、まずは各大学で予選を行います。北大でも2015年から毎年予選が行われていて、私はその運営に携わりました。

コンテストは予選からすべて英語で行われるので、留学生も多く参加します。英語を使う機会にもなったし、留学生の積極性を体感することもできました。また、運営を通してビジネスに触れるうちに、私自身もビジネスに興味を持つようになりました。

そして、この時知り合った仲間に誘われて、現在は「Beeber Global(ビーバー・グローバル)」という学生スタートアップを設立しようとしています。

現在は国際交流のプラットフォームづくり

「TechBBQ Sapporo(テックバーベキュー・サッポロ)」でプレゼンテーションをする川手さん(左)(本人提供)

━━「Beeber Global」ではどのようなことをやろうとしていますか?

活動自体は2022年の3月ごろから始めています。過去には、自分の商品や取り組みを英語で紹介したいという経営者の方と留学生をつなげたり、北大で英語を話したい日本人学生と日本人と交流したい留学生をつなげる言語交流プログラムを実施したりしました。

「国際交流を促進させて日本の社会問題を解決する手助けをしたい」というのがモットーで、海外からの学生と日本の方をつなげて、双方に利益のある関係を作ることができればと思っています。

━━様々な国際交流をする中で、英語は上達しましたか?

今の英語力を自分で評価するとしたら、10段階中の6か7くらいですかね。英語を話さないといけないから話す、ということを続けていくうちに、日常的に使うフレーズやこういう時はこう言えばいいんだなというのがわかるようになってきました。

英語を話さないといけない環境を何度もつくってきたのが重要だったかなと思います。「Beeber Global」の運営メンバーも私以外は全員留学生なので、英語でコミュニケーションをとっています。

まだ留学には行っていませんが、日本にいても海外の方と交流する機会を持つことができました。それに、「Beeber Global」は留学に行かなかったからこそできている活動だと思います。留学に行っていたら、それ自体に忙しくなっていたと思うので。

━━今後について教えてください。

今は、自分自身が興味のある国際交流をビジネスにすることができそうですごく楽しいです。だから、もしこれがビジネスとして実現できるなら、今の活動を続けていきたいです。「Beeber Global」を本格的に動かしていくことが直近の目標ですね。

もともと私は教育や福祉、幸福などに興味を持っています。みんなが幸せになったらいいなと思っていますが、小さいころから「日本はいい国なのに、みんながみんな幸せそうじゃない」と感じることがありました。将来会社を経営する立場につくことができたら、自分の会社から、そういったことを改善できる方針を実践していきたいです。

(取材・記事執筆:佐藤)