コロナ乗り越えよう 卒業生らが寄付で応援

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基金のホームページには多くの応援メッセージが掲載されている

新型コロナウイルスの感染拡大が学生生活にも大きな影響を及ぼし、生活費を支えるアルバイト収入が減るなどお金の問題に悩む学生もいる。こうした状況の中、北大生が学びを諦めることがないようにと卒業生や教員らが寄付による金銭的な支援に立ち上がった。

「新型コロナに負けずにがんばれ」「経済的な理由で学べない学生が生まれてはならない」

本学への寄付金「北大フロンティア基金」のウェブサイトには寄付者からの応援メッセージが並ぶ。寄付者らは、金銭的に困っている学生への寄付を求める本学の呼びかけに応じ、修学支援のためにとお金を贈った。

本学はこの寄付金を活用し、困窮学生に最大10万円の支援金を用意。2500人程度の学生が対象で、総額2億円規模を想定。申請が通った学生の口座に6月30日、振り込んだ。

「新入生の困窮を目の当たりにし、少しでも彼らが救われるようにと思った」。寄付者の一人、本学の帰山雅秀名誉教授のもとには新入生や在学生からの切実な声が届き、寄付を決めたという。「学費が払えない」「家計が苦しくなり、退学せざるをえない」などの相談が数多く寄せられ、心を痛めていたところ、寄付の募集を知った。帰山名誉教授は「決して一人ではありません。北大ネットワークを通して『つながり』と『絆』を大切にしていきましょう」と呼び掛けた。

校友会エルムの杉江和男会長も「経済活動が低下すると所得の少ない人から収入が途絶える」と実感し、寄付を寄せた。「頑張っていれば必ず道は開けます」。

会社役員の稲葉猛志さんも寄付者の一人。「未曾有の困難だけど逆に良い経験だと思って頑張ってください」とエールを送った。

本学がホームページで5月、寄付を呼び掛けたところ、同月は1158万円(271件)が「修学支援基金」として寄せられた。本学はこれや過去の寄付金を活用し支援金に充てる。

寄付者に対し本学の笠原正典総長代行は「この度は本学卒業生や関係者などから即座に、かつ多大なるご支援を賜り、心より感謝申し上げます。いただいたご寄付により、学生が安心して勉学に励むことが出来るよう支援してまいります」とコメントした。

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