北大入試に事実上初の情報Ⅰ 現役工学部生の記者が解く!2026年度大学入学共通テスト
1月17・18日に行われた2026年度の大学入学共通テスト(以下、共通テスト)。北大の入試科目に事実上初めて「情報Ⅰ」が加わった共通テストとなった。
北大は初めて情報Ⅰが導入された2025年度の共通テストでは情報の配点を0点としていた(同点の場合のみ情報の点数を用いる)が、26年度入試からは情報の配点が15点(一部の学部の後期日程のみ25点)に変更された。総合入試文系・理系を含む全ての学部の前期日程では共通テストの配点315点分の15点を占めることとなり、他の科目に比べて低い点数ながらも決して軽視できない科目となった。
そこで本記事では、北大工学部在籍の記者が実際に26年度の情報Ⅰの問題を解き、傾向や難易度について述べていく。予習は無し、制限時間は規定通り60分で行った。
いざ、開始
北大の前期入試も近づいてきた2月15日午後5時。記者はタイマーをセットし、試験を開始した。まずは全ての設問にざっと目を通し、38ページに及ぶ文量に驚いた。早く正確に解く必要性を予期したところで、早速第1問から解いていく。
第1問はハードウェアや情報セキュリティ、2進法と16進法の簡単な計算、ネットワークの仕組みに関する問題などが出題された。ここでは主に知識が問われる設問が多く見られた。第2問は、役所を介した個人の住民証明を行う過程を題材とした問題と、画像の透過処理を行う際に必要な演算に関する問題であった。高いレベルの論理的思考力が求められる、難易度の高い問題であった。第3問は文化祭の展示を題材とし、待ち時間・体験時間をプログラミングによって調整する、というものだった。第4問は桜の開花予想を題材としたデータ分析の問題。記者が高校時代に数学の授業で学んだ内容がほとんどであった。
ここで残り時間はあと5分、見直しを始めた記者は第3問の終盤の問いを1つ見落としていたことに気づいた。焦って取り組むも問題がやや難しく、よく分からないまま時間切れとなった。
気になる結果は
採点結果は、第1問20点中10点、第2問30点中24点、第3問25点中21点、第4問25点中20点。合計は100点満点で75点となった。大学入試センターの発表によると平均点は56.59点であり、今回の結果は決して悪くはないと言える。
平均点が69.26点であった前年度と比べて大幅に難化しており、単に知識の有無を問うだけでなく、知識を用いて思考させる問題が増えていた。また問題での場面設定の文量が非常に多く、設問ごとに設定されている状況を整理するのに時間がかかる仕組みになっており、情報学の知識だけでなく、文章の読解力が試される内容であった。第2問・第3問では非常に複雑な論理的思考が必要で、自力で論理を組み立てる過程に時間を奪われると最後まで解き終えることができなくなってしまうだろう。
実際、記者は第2問・第3問で複雑な場面設定の読解に多くの時間を費やしてしまい、終盤の発展問題に必要な時間を残せなかったことで失点してしまった。26年度の情報Ⅰでは、知識だけではなく複雑な情報処理を素早くこなす能力が必要であったと言える。
北大での学習に繋がる「15点」
こうした高度な情報処理を求められる情報Ⅰだが、問題を解いていて記者が強く感じたのは、北大の学部1年次で必修の講義「情報学Ⅰ」との繋がりだった。例えば大問1で問われた情報社会における基礎知識や大問3で出題されたプログラミングの問題は、いずれも情報学Ⅰの講義で扱う内容とリンクしていた。
北大の情報学Ⅰのシラバスには授業の目標として「初等中等教育において習得した情報活用能力をもとに、より高度な情報活用能力を実践的に習得する」と書かれている。北大の入試に加わった15点分の「情報Ⅰ」を解く力は、北大入学後の「高度な情報活用能力」の礎となると言える。
26年度以降、北大を目指す受験生たちに求められるのは「情報Ⅰ」を単なる入試科目としてではなく、大学での学びの準備として取り組む姿勢なのかもしれない。
(執筆:木本)
