【受験特集:どんな道でも、道は道】第1回(5) 進学か就職か、出した答えは「北大へ」 野中直樹さん(理学部3年)

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「大学には、いろんな人がいる」そんな言葉は、誰しも一度は耳にしたことがあるだろう。だが、私たちはまだ「いろんな北大生」が北大生になった時の話を知らない。聞けそうで聞けない、在りし日のそんな話を取り上げるのが今回の特集「どんな道でも、道は道」だ。はたから見れば小さな、でもそばにいれば大きな選択にじっと耳を傾ければ、等身大の北大生が見えてくる。

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どんな道でも、道は道(仮)」第1回の主人公は、北大新聞の代表を2022年9月まで務めた理学部3年の野中直樹さん(23)=神奈川・県立厚木東高校卒業=だ。高校卒業後に就職した会社を辞めた後北大に来た、と語る「野中先輩」の過去は実は記者もよく知らなかったのだが、その体験は本特集の記念すべき初回を飾るにふさわしい。ゼロからはじめた逆転劇に、記者が迫った。(取材:田村)

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野中直樹さん(撮影:佐藤)

北大入学、そして未来へ

好きだったその子とはその後疎遠になった、と野中さんは笑ったが、大学での日々は充実しているという。
「学問としてじっくり考えを巡らせる大学の勉強が、自分の性に合ってるな。今も数学科で数学の勉強してるけど、時間内に点数をかき集めるスポーツみたいな受験数学とは違った面白さがある」
「『数学なんて難しい』というのはその通りだけど、だからこそ成長してるって実感することが多いよ。ゆっくりでもきちんと正しい理解を積み重ねていけばちょっとずつ、でも着実にできることが増えていく。できない時に『かっこいい』って憧れた解き方でも、じっくり勉強を進めていけばできるようになるところが好きだな」

また、北大生との交流も新鮮だという。
「中学受験の経験がある、みたいな層の人とこれまでちゃんと話したことがなかった。地元の友達と一緒にいるのはもちろん好きだよ、でも『ピアノができる』みたいに教養がある人と一緒にいるのも楽しいね」

北大に入って良かったと思いますか、とためらいながらも記者がそのまま質問をぶつけると、野中さんは「入って良かった」と即答した。
「好きな仕事をしつつ幸せな家庭を築きたい、というフワッとした将来の目標があるから。企業に評価してもらえるくらいに北大で好きなことをしっかり学んでいれば、自分にとって魅力的な仕事に就けてそれなりの年収もついてくるはず。昔の自分にやりたい仕事をくれる人はいなかったけど、北大を卒業すれば仕事を選べる可能性は広がる」
「全ての人が大学に入るべきだなんて思わないけど、漠然とでも理想があるといいよね。自分の場合は、その理想がクリーニングのお店に入る方より大学に入る方に合ってたってことだと思う」

最後に、野中さんは受験生にメッセージを送った。
「『果報は寝て待て』というか何と言うか。うまくいかない日々が続いても、いつかどこかできっといいことが待っている。ホントに寝てたらダメだけど、努力だけはしっかり続けた上でドンと構えていればいいんじゃないかな」