コロナに直面 採算改善の取り組み停滞 来店客数、コロナ前の5分の1 —北大生協

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食堂は感染対策で景色が一変した(3日昼、北部食堂)

北大生協の2020年2月期(19年度)決算は2期連続の最終赤字となった。同生協はアンケートを活用するなどして採算の改善に取り組む予定だったが、新型コロナという新たな経営課題に直面。来店客数の回復が鈍い。(関連記事→北大生協、赤字3460万円 19年度 今期は設立以来初の赤字予算 —新型コロナ

仕切りが全てのテーブルに設置され、席数も大幅に減少。コロナ下の食堂は感染対策で、以前の景色から一変した。そのうちの一つ、北部食堂は、全国でも有数の規模だった1000席を半減し、営業時間も短縮して営業している。

今月上旬の月曜日の昼過ぎ。コロナ前なら昼休みで大量の学生が押し寄せていた。1年生全員が通う高等教育推進機構(教養棟)に隣接しており、ピーク時は食堂の外まで列が伸びることもあった。しかし、今は様子が異なる。ランチタイムで客は数十人程度いたものの、席の両隣に人は座らず、以前の姿にはほど遠い。

営業赤字がここ数年続く北大生協は今年度、学部ごとにアンケートを実施し、ニーズに合わせ事業や売り場を再編させる準備をして、21年度につなげる予定だった。

だが、そこをコロナが直撃した。同生協の小助川誠専務理事は「コロナの影響で新たな経営難が発生し、アンケートなどは計画通りに進められていません」という。

すでに明らかになっているコロナの経営への影響もある。今年2~5月期は卒業衣装や海外旅行などのキャンセル・返金対応のほか食堂での懇親会の中止のみで、売り上げ(供給)が約7000万円減った。また、北大生協によると、授業のオンライン化や、教職員の在宅勤務などで学内人口が落ち込み、店舗での売り上げが大きく減少しているという。「7月に入っても来店客数が以前の5分の1程度までしか回復していない」と小助川専務理事は話した。

同生協は今後、理事会や教職員総代会議などで「厳しい状況」(小助川専務理事)を報告するとしている。

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